
FRP防水は経年劣化によってひび割れや剥がれなどが起こりやすいため、ウレタン防水を重ねて補強するのがおすすめです。今回はFRP防水の上からウレタン防水を施す工事について、メリットや具体的な施工方法の種類のほか、施工時の注意点についても詳しく解説します。FRP防水のメンテナンスを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
FRP防水の上にウレタン防水を施すメリット
FRP防水とは、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて、ガラス繊維と組み合わせた塗膜防水です。一般的な住宅の屋根やベランダ、集合住宅の屋上などに広く使用されており、効果により強固な層が出来上がります。しかし、FRP防水は劣化しやすいため、上からウレタン防水でカバーするケースも少なくありません。ここでは、FRP防水の上にウレタン防水加工を施すことのメリットについて詳しく解説します。
下地を選ばないことから工期を削減できる
ウレタン防水は下地を選ばない性質を持つことから、作業工程を省いて工期を短くすることが可能です。通常の防水加工では、FRP防水を撤去する工程のあとに新たな防水を施さなければなりません。しかし、ウレタン防水はプライマー処理・下地調整などでFRP防水層を整えるのみで施工できるため、撤去の工程をカットできます。
さらに、ウレタン防水は液状の材料を塗布する方法であり、数日間で防水処理が完了する場合も少なくありません。そのため、住宅のベランダなど普段からよく使うスペースの防水加工であっても、生活への影響を最小限に抑えられます。
コストカットが叶う
先述の通り、FRP防水の上から通常の防水加工を行う場合、まずはFRP防水の層を撤去しなければなりません。FRP防水層は非常に強固な層であるため、撤去費用がかさみやすいです。しかし、ウレタン防水はFRP防水層を撤去することなく塗布できるため、解体にかかる費用をカットできます。できる限りコストを抑えたいと考えている人には、ウレタン防水がとくに向いているでしょう。
FRP防水の劣化をカバーできる
FRP防水層は経年劣化によって硬くなるという特徴を持つため、劣化が進行すると地震などの影響を受けてひび割れを起こすことも少なくありません。さらに、温度変化や紫外線にも弱く、割れや剥がれが起こるケースもあります。FRP防水の上からウレタン防水を施すことで、FRP防水層の不備割れが起こりにくくなります。ウレタン防水層は伸びがよく弾力があるため、強固な層であるFRP防水層のメンテナンス・補強にはぴったりの加工です。
FRP防水の上にできるウレタン防水の工法
FRP防水層の上からウレタン防水を施す場合、選択できる方法は2種類あります。それぞれの方法によってメリット・デメリットが異なるため、施工の際は慎重に判断することが重要です。ここでは、FRP防水の上にウレタン防水うぃ施す際の具体的な方法について詳しく解説します。密着工法
FRP防水の上から下地としてプライマーを塗り、さらにウレタン防水の液剤を塗布する方法です。密着工法は作業工程が非常にシンプルであるため、コストを抑えられるのがメリットです。改修工事を行う際は、多くの現場で密着工法が採用されています。密着工法で重要となるのは、プライマーを塗布する前にしっかりとFRP防水層の表面を研磨することです。下地処理をていねいに行うことでウレタン防水層の密着性が高まり、しっかりと防水効果を発揮します。
通気緩衝工法
下地の上に通気シートを置き、その上からウレタン防水を施す方法です。通気シートは湿気がたまるのを防ぐ役割を持ち、下地の水分によるウレタン防水層の劣化を防いで耐久性・安定性を高めます。密着工法よりも工程が増えることから費用・工期の面ではデメリットを感じやすいものの、ウレタン防水層を丈夫にしたい人、長く効果を保ちたい人には通気緩衝工法が向いているでしょう。