おすすめのウレタン防水材メーカーを紹介します！

ウレタン防水ってどんな工法？他の防水方法との違いは？

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて、つなぎ目のない防水層を形成する工法です。防水工事のなかでも主流な工法のひとつであり、多様な場所に対応できるのが特長です。まずは、そんなウレタン防水の仕組みや工法、そして他の防水工法との違いを詳しく解説します。

ウレタン防水の仕組みとメリット

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布し、乾燥させて防水膜をつくる工法です。ウレタン樹脂はポリウレタンというプラスチック素材で、柔軟性や弾性、耐衝撃性に優れているため、建物の揺れでひび割れが起こりにくく、雨漏りの発生を防ぐことにつながります。

ウレタン防水のメリットとして、施工費用が比較的安価であること、屋上やベランダ、凹凸のある場所など複雑な形状の箇所にも対応できること、そして既存の防水層の上から重ね塗りが可能な点が挙げられます。既存の防水層を撤去する手間や費用を省くことができるため、コストと工期を削減できます。

ウレタン防水の工法

ウレタン防水にはいくつかの工法がありますが、そのなかでも主流なのが通気緩衝工法、密着工法の2種類です。

通気緩衝工法は、床面に直接ウレタン樹脂を塗らず、通気緩衝シートを敷いた上に塗り固める工法です。内部の湿気を逃すための脱気筒を取り付けるため、湿気による防水層の膨れを防ぐ効果が期待できます。とくに、コンクリートなど湿気を含みやすい床面や、雨漏りが起こっている箇所に適しています。

密着工法は、防水加工を施す床面に直接ウレタン樹脂を塗るシンプルな工法です。ウレタン防水のなかでも、もっとも施工費用が安く、脱気筒も不要なため場所を問わず工事ができます。費用を抑えたい場合や、ベランダなど狭い範囲の工事に適しています。

密着工法の中にはウレタン樹脂で補強布を挟み込む、メッシュ工法もあります。メッシュ工法はひび割れに強い防水層になるため、地震や衝撃によるひび割れが心配な場合に適しています。

FRP防水・シート防水・アスファルト防水との違いとは？

ウレタン防水以外にも、FRP防水、シート防水、アスファルト防水などさまざまな工法があります。

FRP防水は、ガラス繊維などの補強材に不飽和ポリエステル樹脂を含侵させて固めた工法です。軽量で丈夫な仕上がりになるため、人が頻繁に出入りする屋上などに適していますが、下地の伸縮には弱いため、木造の広い陸屋根に施工できない点がウレタン防水との違いです。

シート防水は、塩化ビニール製などのシートを熱や接着剤で貼り付けて防水層を形成します。施工やメンテナンス費用が安価で、シートの色やデザインも豊富です。一方で、風に弱いことや、業者による仕上がりの差が出やすい点がデメリットであり、ウレタン防水よりも安全性や品質の面で不安が残ります。

アスファルト防水は、アスファルト製のシートを溶かしたり、粘着剤で貼り付けたりする工法です。耐久性が高く、新築の建物に向いています。ただし、非常に重いため、建物の耐荷重によっては負担をかける可能性があります。

ウレタン防水の施工工程とかかる日数

ウレタン防水は、いくつかの工程を経て防水層を完成させる工法であり、それぞれの工程を丁寧に行うことで、防水層の品質と耐久性が保たれます。ここでは、ウレタン防水の一般的な施工手順と、工法ごとの日数の目安を解説します。

下地処理

ウレタン防水工事の最初の工程は、下地処理です。まずは高圧洗浄で、汚れやホコリ、古い塗膜などをきれいに取り除き、下地を滑らかな状態に整えます。ひび割れや欠損がある場合は、この段階で補修を行います。

とくに、下地の乾燥状態を確認することは重要なポイントです。下地に水分が多く含まれている状態で防水材を塗布すると、膨れや剥がれの原因になるため、十分に乾燥させる必要があり、乾燥の状態によっては工事を延期する判断も求められます。

プライマー塗布

下地処理が完了したら、プライマーと呼ばれる接着剤を下地に塗布します。プライマーは、これから塗るウレタン防水材と下地をしっかりと密着させるための重要な役割を担います。

プライマーが不適切なものであったり、均一に塗布されなかったりすると、防水層が下地から剥がれてしまうリスクが高まるため注意が必要です。また、プライマーが十分に乾燥するまで待つことも、防水層の品質を左右する大切な要素となっています。

ウレタン防水材と補強布

密着工法の中には、補強布を用いる工法もあります。補強布は、ウレタン層で挟み込むことで、防水層の厚みを確保し、塗膜を補強する目的で使用される副資材です。

補強布にはガラス繊維やポリエステル繊維が使われており、用途に応じて使い分けられます。また、通気緩衝工法では、通気緩衝シートがこの役割の一部を担う存在です。補強布を使用することで、防水層の強度を高めることができます。

ウレタン防水材を重ね塗りする

プライマーの塗布が完了し、必要に応じて補強布を貼り付けた後、ウレタン防水材を複数回にわたって塗り重ねて防水層を形成します。一般的には、中塗りと上塗りの2度重ね塗りが行われ、各塗布の間に適切な乾燥時間を設けることが重要です。

塗膜の厚みも防水性能を大きく左右する要素であり、薄すぎると防水効果が不十分になり、厚すぎるとひび割れの原因になることがあるため、均一な厚みで塗布する技術が求められます。施工は金ゴテやローラーを用いた塗布が一般的ですが、場所によっては吹付けで行われるケースもあります。

トップコートで仕上げ

防水層となるウレタン防水材の塗布が完了したら、最後にトップコートを塗って仕上げます。トップコートは、紫外線や雨風から防水層を保護する役割のほか、美観を保つためにも必要です。これにより、ウレタン防水層の劣化を防ぎ、耐久性を高めることができます。

また、UVカット機能や耐摩耗性を持つトップコートを使用することで、防水層の寿命をさらに延ばすことが可能です。目的や予算に合わせてトップコートを正しく選択することも重要なポイントといえるでしょう。

施工にかかる日数

ウレタン防水工事にかかる日数は、工法や施工する場所の広さによってさまざまです。戸建て住宅のベランダなど、狭い範囲に密着工法で施工する場合は3日程度、陸屋根にメッシュ工法で施工する場合は1週間程度が目安です。

また、マンションの屋上など広い面積に通気緩衝工法で施工する場合は1〜2か月程度かかる場合もあります。工期は、下地処理や各工程の乾燥時間によって左右されますが、耐久性がある塗料を選び、補強布を使用しない工法を選択することで、工期を短縮することも可能です。

ウレタン防水の施工費用はいくら？相場と内訳をチェック

ウレタン防水工事にかかる費用は、施工する場所の状況や選ぶ工法によってさまざまです。費用の内訳を理解することで、見積もりの内容を正確に判断できるようになるでしょう。ここでは、ウレタン防水の費用相場と、価格に差が出る要因について詳しく解説します。

ウレタン防水の施工費用相場

ウレタン防水工事の費用相場は、一般的に1㎡あたり5,000円から7,500円程度が目安とされています。しかし、この費用はあくまで目安であり、施工面積や選定する工法によって変動します。たとえば、軽微な補修であればこの範囲の最低価格に近い金額で済むことが多く、全面改修の場合は、工法や使用する材料によって最高価格に近い金額になることもあります。

また、密着工法は、下地に直接ウレタン防水材を塗るため、低コストで短期間の工事が可能です。これに対し、通気緩衝工法は、通気シートなどの資材が追加されるため、密着工法よりも費用が高くなる傾向にあります。

価格差が出る要因とは？

ウレタン防水工事の費用に差が出る要因はいくつかあります。まず、高所での作業の場合は、安全確保のために足場代が別途発生します。また、使用するウレタン樹脂の種類や、トップコート、通気シートなどの材料費も価格に影響します。そして、施工の難易度や工事期間によって人件費も変動します。

さらに、下地のひび割れ補修や調整など、追加の工事が必要な場合は下地補修費が発生する点にも注意が必要です。とくに、既存の防水層を完全に撤去する必要がある場合は、その分の追加費用がかかります。しかし、防水材のなかには、既存の防水層を撤去せずに上から重ね塗りが可能なものもあるため、その場合は撤去費用を抑えることができるでしょう。

「ウレタン防水材選びで重視したいポイントは何ですか？」Webアンケートで調査！

「ウレタン防水材選びで重視したいポイントは何ですか？」というテーマでWEBアンケートを実施しました。実際に利用を検討している方がどのような点に注目しているのか、その結果を確認していきましょう。

第1位は「耐久性・長寿命かどうか」でした。防水材は建物の劣化を防ぐ大切な役割を担うため、長期間にわたって効果が持続するかどうかが多くの人にとって最重要でした。ひび割れや摩耗に強く、再施工の頻度を抑えられるものが選ばれやすい傾向があります。特に屋上やバルコニーなど、紫外線や雨風の影響を直接受ける箇所では、耐久性の高さが安心につながると考えられているようです。

第2位は「防水材の信頼性（規格取得・性能実績）」でした。国の基準や建築関連の規格を満たしているかどうかは、品質を判断する大きな指標です。また、実際の施工事例や性能試験の結果が公開されていると安心感が増します。長年の採用実績があるメーカーや、建築業界で広く使われているブランドが支持されているのも納得できます。信頼性の裏付けは、工事後のトラブルを減らす意味でも重視されていました。

第3位は「安全性・環境性能」でした。近年は環境への配慮や施工時の安全性も注目されています。施工現場での揮発性有機化合物（VOC）の少なさや、人体への影響が少ない材料かどうかを気にする声が増えていました。また、省エネやエコ建材への関心が高まる中で、環境負荷の少ない防水材を選びたいと考える人が多く見られました。

以上がアンケートの結果となります。ウレタン防水材を選ぶ際には、単に価格だけでなく、長く安心して使える耐久性、規格取得や実績による信頼性、さらには環境や安全に配慮した性能をチェックすることが重要だとわかります。これらの視点を持つことで、より満足度の高い防水材を選ぶことができるでしょう。

ウレタン防水材メーカーを比較する際のポイント

ウレタン防水材メーカーは数多くあり、それぞれに強みや特長があります。最適なメーカーを選ぶには、材料の性能や施工性、安全性などさまざまな視点から比較することが大切です。ここでは、ウレタン防水材メーカーを比較する際に注目すべきポイントについて解説します。

耐久性と防水性能に優れた材料か

防水工事の目的である耐久性と防水性能は、材料選びにおいてもっとも重要なポイントです。ウレタン防水材を選ぶ際には、まず耐用年数を確認しましょう。また、JIS規格に対応しているかどうかも、品質を判断するための重要な基準です。JIS規格は、製品の性能や品質を国が定めた基準に基づいて評価するものであり、この規格をクリアしている製品は一定以上の品質が保証されているといえます。

さらに、建物の揺れや熱による伸縮に対応できる強度や伸縮性があるかどうかもチェックしたいポイントです。これにより、ひび割れや剥がれといった不具合の発生を防ぎ、長期的に安定した防水性能を維持できます。

工期や施工負担を軽減できるか

工期や施工時の負担を軽減できるかどうかも、メーカーを比較する上で見逃せない点です。たとえば、補強布を使用しない工法に対応した材料を選べば、工程を短縮でき、工期を削減できるため、工事全体のスケジュールを短縮し、現場作業の効率を上げることができるでしょう。

また、速硬化性を持つ材料であれば、次の工程までの待ち時間を短縮でき、工事全体を効率的に進めることが可能です。結果として、費用や人的コストの削減にもつながります。こうした施工性に優れた材料は、現場の負担を軽減し、よりスムーズな工事を実現できるでしょう。工期を短縮できる製品は、工期の制約がある現場にとっても大きなメリッㇳがあります。

さまざまな現場条件に対応できるか

ウレタン防水材を選ぶ際には、さまざまな現場条件に対応できるかどうかも確認しましょう。メーカーが提供する材料が、さまざまな下地や仕上げの種類に対応しているかは、選択の幅を広げることにつながります。たとえば、既存の防水層の上から重ね塗りができる材料であれば、撤去費用や手間を省くことができます。

また、屋上やベランダ、駐車場など、多様な用途に適応する製品がそろっているかどうかも確認すべきポイントです。さまざまな現場に対応できる製品ラインナップを持つメーカーであれば、タイプの違う現場でも、それぞれに適した防水材を選択できるため、何度もメーカーを探す手間を省くことができます。

安全性と環境への配慮があるか

防水材は建物の内部に使用されることもあるため、安全性と環境への配慮も重要なポイントのひとつです。とくに、有機溶剤系の材料に含まれる有害物質の有無は、人体や環境への影響を考慮して確認すべき点といえるでしょう。

厚生労働省が定める基準に対応した製品や、VOC（揮発性有機化合物）の含有量を抑えた製品を選ぶことで、作業者の安全を確保し、居住者や建物の利用者にも安心して過ごせる環境を提供できます。そして、環境に配慮した製品を選ぶことは、SDGsへの貢献にもつながります。環境負荷を低減する取り組みをおこなっているメーカーは、企業の社会的責任を果たす観点からも評価できます。

防水材としての信頼性が高いか

メーカーの信頼性も、高品質な防水工事を実現する上で不可欠な要素です。たとえば、防水材の製造から施工まで一貫した品質管理体制を築いているメーカーであれば、信頼度が高いと判断できます。

また、その場合もISO9001などの品質マネジメントシステムの認証を取得しているか、豊富な実績や実際に使用している会社からの評価はどうかといった点を確認しましょう。認証を取得していれば、製品の品質が一定の基準を満たしていると判断できます。

また、メーカー独自の技術力や開発力も、製品の信頼性を測る上で重要な指標です。つねに新しい技術を取り入れ、高品質な製品を提供しようとする姿勢は、メーカーの信頼性につながるでしょう。

安心・高性能なウレタン防水材で、長く守れる建物をつくろう

ウレタン防水材は、さまざまな現場に対応でき、高い防水性や耐久性で建物の強度を高めてくれます。数多くのメーカーからウレタン防水材が発売されていますが、メーカーによってその特徴やラインナップは異なるため、いくつかのメーカーを比較しながら最適なメーカーを見つけてください。そして、安心で安全なウレタン防水材を使い、長く機能が続く建物を作りましょう。